中国のガリウム、ゲルマニウム、グラファイトの生産量および輸出量は、いずれも世界最大だ。アメリカ地質調査所(USGS)の調べによれば、中国が2023年に生産したガリウムとゲルマニウムは世界の総生産量の90%以上、グラファイトは同77%を占めた。
ガリウムとゲルマニウムは半導体材料として優れた特性を持つ。中でも窒化ガリウムは、(一般的な半導体素材であるシリコンに比べて)抜きん出た高速性、耐熱性、エネルギー効率などからパワー半導体の次世代材料の本命と見なされている。
米半導体産業に影響必至
グラファイトは導電性、耐熱性の高さや熱変形の少なさなどから、リチウムイオン電池の負極材料として広く使われている。特に近年、世界的なEVの普及拡大にともなって車載電池向けのグラファイト需要が急増した。
USGSは11月19日に発表した研究報告書の中で、仮に中国がガリウムとゲルマニウムの輸出を全面禁止した場合、アメリカが被る経済的損失は半導体産業に集中すると指摘した。
さらに、中国の禁輸措置による供給量の減少で、ガリウムの市場価格は(禁輸前の)約2.5倍に、ゲルマニウムは約1.3倍に上昇すると予想している。
(財新記者:蘆羽桐)
※原文の配信は12月4日
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