小学生の98.1%が公立小、第3の学校「オルタナティブスクール」増える背景と実態 カリキュラムの自由度や学びのスタイルも多様

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今回、フェスに参加したのは東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡、北九州の11スクール。

立ち上げの経緯も、年数も、背景も、理念もさまざまですが、印象的だったのは、フラットに協力し合って、子どもたちの学びの選択肢を増やしていこうという意識が強いことです。

「立ち上げたときには、モデルもないし、手探りでつくるしかなかった」という炭谷氏。

28年経って全国に仲間ができて嬉しいと語ります。そして、小針氏の発案で「オルタナティブスクールを身近な選択肢にすること」を使命にした一般財団法人オルタナティブスクール・ジャパン(ASJ)が設立され炭谷氏も理事としてジョインしました。

ASJは、ロールモデルとなるオルタナティブスクールが47都道府県に開校することを目指し、使命をまっとうして、財団が解散することをゴールに、活動を開始しています。今後は、スクールの開校サポートと経営支援、オルタナティブスクール同士がつながって学習や探究のプログラム作りなどを行っていきます。

10年ほど前に視察したオランダは、憲法で教育の3つの自由が保障されていました。

設立の自由
理念の自由
教育方法の自由

です。視察に訪れた中にも、既存の学校に適応できない子どものために保護者が中心となって運営している学校がありました。国としてのゴールが定められており、基準を満たせば方法は自由。専門家のサポートもつきます。その結果、子どもの幸福度世界一の国になっているのです。多様な宗教や民族を受け入れている国ならではだと思いましたが、今後日本も多様性を尊重していかなければ国の存続すら危ういでしょう。

教育は国の未来をつくる仕事です。今の子どもたちが働き盛りになる2050年の世界を見据えて、日本が幸せな国として発展していくことを願いたいと思います。

子どもたちがその子らしく成長していけるように、日本にも学びの選択肢を増やしていきたい、地元にも多様な学びの機会を作りたいと考える人はASJに問い合わせてみてはいかがでしょうか。

今回のフェスに参加したスクールと団体は以下の通り。詳細は直接お問い合わせください。

インフィニティ国際学院 中等部・高等部
CAN!P school
湘南ホクレア学園
一般社団法人うみかぜ SOTOBOコミュニティスクール
逗子オルタナティブスクールFRASCO
東京コミュニティスクール
ヒミツキチ森学園
HILLOCK初等部
箕面こどもの森学園(認定NPO法人コクレオの森
モンテッソーリ・エレメンタリースクール北九州
ラーンネット・グローバルスクール
探究コネクト
一般財団法人オルタナティブスクール・ジャパン

 

(注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)

執筆:教育ジャーナリスト 中曽根陽子
東洋経済education × ICT編集部

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
中曽根 陽子 教育ジャーナリスト/マザークエスト代表

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なかそね ようこ / Yoko Nakasone

小学館を出産で退職後、女性のネットワークを生かした編集企画会社を発足。「お母さんと子どもたちの笑顔のために」をコンセプトに数多くの書籍をプロデュース。その後、数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストとして紙媒体からWebまで幅広く執筆。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエーティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。「子育ては人材育成のプロジェクト」であり、そのキーマンであるお母さんが幸せな子育てを探究する学びの場「マザークエスト」も運営している。著書に『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)、『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)などがある。

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