「財務省の玉木潰し」説まで出た不倫問題の影響 相次ぐ同情・擁護論で「首相候補からの脱落」回避も

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また、不倫スキャンダルで政界を離れた元国民民主党衆議院議員の菅野志桜里弁護士も12日に「X」(旧ツイッター)を更新。その中で「政治家のプライベートを進退に直結させると、『そして誰もいなくなった』になってしまうから、政策実現・政治改革のためにも、玉木さん辞任とならなくてよかったと思っている」と玉木氏が代表を辞任しなかったことを評価した。

その一方で起業家の鈴木円香氏は12日、フジテレビ系「めざまし8」で、9月に行われた玉木氏の議員活動15周年パーティーには、妻はもちろん、不倫相手も参加していたことについて「パーティーに奥さんとお相手の方、両方連れていったって、これも人間としておかしいんじゃないの?って思いました」と断罪。その上で、玉木氏が報道当日に街頭演説を行ったことに対し「こんな街頭演説で私はだまされないって思っちゃう」と語った。

これらに先立ち、杉尾秀哉・立憲民主党参院議員は11日に自身のXを更新。玉木氏が同日行われた衆議院首班指名選挙での決選投票で84票の無効票が出たことに「野党をまとめきれなかったことの証左」と指摘したことに対し「自分から与党にすり寄っておいて、その言い草はない」と強い不快感を示した。

「財務省の玉木潰し」説は「買い被り」―財務省幹部

その一方で、ネット上では「玉木潰し」がトレンド入りするなど、いわゆる“ネット民”の多くが、「絶妙のタイミングにもみえる不倫報道の裏に何かがあると感じている」(ネット専門家)のは明らか。しかも、「財務省の玉木潰し」というフレーズが次々と現れることが特徴だ。確かに、「政治と権力の裏舞台を知る者にとっては、財務省がこのタイミングで玉木氏を潰そうとするのは、いかにもありそうな話」(政治ジャーナリスト)ではあるが、財務省内は「まったくの買い被り。昔のことは知らないが、今そんな力があるはずがない」(有力幹部)と苦笑するばかり。

こうした現状について、政界関係者の間では「侃々諤々の議論も14日の時別国会閉幕以降は沈静化する」(同)との見方が出始めている。「事実関係もあらかた出尽くし、これまでと同じ『いつまでやってるんだ』との批判が台頭する」(同)と予測するからだ。

玉木氏の求める「103万円の壁」見直しも、最終的には12月上中旬に自公と国民の政策協議で決着するとみられていることもあり、政界では「玉木氏の不倫がどう影響したかは、結果をみるまでわからないが、自公から一定の譲歩を引き出せば玉木氏の勝ち」(閣僚経験者)との声が広がる。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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