いくら乗っても、「同じ府県から出られない」列車 長野発飯田行きは所要時間4時間43分もかかる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

長野県同様、南北に長いのが宮崎県。この県の長さを実感できるのが日豊本線の延岡を7時35分に出発する西都城行の普通列車。宮崎県内で3番目に人口が多く、県北部最大の街である延岡を出て、県庁のある宮崎を通り、県で2番目に人口が多い県南部最大の街都城へと向かうこの列車が終点の西都城に到着するのは10時54分。県内移動にもかかわらず所要時間3時間19分の長旅だ。

徳島県で1日1本だけ走っている「乗っても乗っても」列車は阿波池田を19時05分に出発する牟岐行の普通列車。徳島線、牟岐線を走るこの列車が終点の牟岐に到着するのは23時30分。所要時間4時間25分。暗闇の中を走り景色が見えない分乗っている時間が長く感じられるこの列車。駅に到着するたびに駅名標に記された「徳島県○○市」「徳島県○○町」という文字を見続ければ徳島県の広さを実感するだろう。

特急列車でも県の広さを実感できる

特急列車でも県の広さを実感できるのが「特急あしずり7号」。土讃線の高知を15時49分に出発する列車は高知県の南西方向へ。途中の窪川から土佐くろしお鉄道中村・宿毛線に乗り入れて17時59分に宿毛に到着する。所要時間は2時間10分。新宿駅から特急あずさに乗車した場合、長野県の上諏訪に到着する時間だ。

同じく特急で広さを感じることができるのは「特急はしだて」。京都から山陰本線、京都丹後鉄道の宮福線、宮豊線を通って天橋立へ向かう列車。最初から最後まで京都府から出ないこの列車の京都ー天橋立間の所要時間は2時間2分〜2時間19分。京都というと、京都市周辺の風景を思い浮かべる方が多いと思うが、この列車に乗ると京都の広さ、京都の新たな魅力を発見できるだろう。

早朝出発のものや、1日1本のものなど、地元に住んでいなければ乗車するのが大変なものもあるが、乗客や風景の移り変わりから感じることができる県内、府内の文化の多様性を感じることができそうな「乗っても乗っても」列車。一度乗ってみてはいかがだろうか。

渡辺 雅史 時刻表探検家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ まさし / Masashi Watanabe

1975年生まれ。フリーライターとして、週刊誌や月刊誌で記事を執筆するほか、テレビやラジオ番組の構成にも携わる。2009年、国内の鉄道に完乗。時刻表の誌面に載っている"変な列車"や"味のある列車"を探すことをライフワークとしている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事