いくら乗っても、「同じ府県から出られない」列車 長野発飯田行きは所要時間4時間43分もかかる

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東京近郊で手軽に乗ることができる県内完結の列車は、千葉県のJR内房線・外房線を走る木更津ー上総一ノ宮間を走る普通列車だ。房総半島の南側をぐるりと回るこの列車は、1日に木更津→上総一ノ宮で10本、上総一ノ宮→木更津で8本運転されている。単線区間を走り、列車の行き違いなどで長時間停車するものもあることから、全区間走破の所要時間は2時間52分〜3時間33分と列車による差が大きい。

全区間が「東京近郊区間」という、一筆書きのルートで遠回りした場合でも最短距離の運賃が採用される特例区間なので、東京から京葉線で蘇我、内房線で木更津へ向かいこの列車に乗車、上総一ノ宮まで乗り通したあと、外房線で大網、東金線で成東、総武本線で都内へ向かい、新日本橋で下車すると150円、ICカード利用の場合は146円でこの「乗っても乗っても千葉県」な列車に乗車できる。

熱海ー浜松間の普通列車と対をなす存在といえるのが、山陽本線の岩国ー下関間を結ぶ普通列車だ。1日に岩国→下関で16本、下関→岩国で17本運転されるこの列車は山口県内の山陽本線をひたすら走る。

徳山や新山口で長時間停車

日中は1時間に1本ほどの頻度で運行されるこの列車の大きな特徴は、徳山や新山口など、大きな駅で長時間停車する列車が多いことだ。山陽本線は全線複線なので列車の行き違いのために長時間停車する必要はない。また特急列車も走っていないので、特急の通過待ちで長時間停車ということもない。が、ほかの路線や、新幹線の接続の関係もあるのだろう。多くの列車がこの2つの駅のどちらかで15〜20分ほど停車する。長いものだと30分ほど停車するものもある。そのため、全区間走破の時間は3時間11分〜4時間と大きなばらつきがある。

南北に長い長野県の広さを感じることができるのは信越本線の長野を6時31分に出発する飯田行の普通列車。列車は長野県の北部に位置する長野から南下。松本、塩尻、岡谷、伊那、駒ヶ根を通り、終点、飯田線の飯田に到着するのは11時14分。4時間43分走り続けてもまだ長野県だ。ちなみに飯田から長野へ行く列車も運行されている。こちらは飯田から岡谷の間を快速として運行するため、所要時間4時間13分と普通列車より30分早い。

長野ー飯田間は高速バスも走っているが、高速を経由するバスでも所要時間は3時間09分〜3時間22分。長野県はとにかく南北に広いのだ。

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