独身で養子迎えた彼女が「親として」心がけたこと 複雑な過去を持つ次女をどう育ててきたか

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すねてぷんぷんしていても、しばらくすると自分のほうからやってくる。どうして腹が立ったのか、なぜ悲しかったのかを事細かに話しながら謝ったり、ときには「謝ってほしい」とお姉ちゃんに要求したりもする。

お友達とケンカをして「あっちが悪いんだよ。お母さんからも何とか言って」と頼んでくることもあるけれど、そのたびにわたしがよその子を叱るわけにもいかない。「きちんと自分の気持ちを話して、謝ってほしいことを伝えようね」と話している。

それでも解決しないときは、何日か会わないようにしたらどうかとアドバイスすることもある。どうすることもできないことはなるべく早く忘れて、自分でコントロールできることにフォーカスしたほうがいい。

毎日成長して、毎日強くなっている次女

怒りや悲しみの理由が思い出せないことやわからないこともある。そんなときは自分の好きなことをするか、寝たほうがいいと話す。ぐっすり眠れば、また世界が違って見えるようになるものだから。

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次女は生まれて1年の間に養育者が2回も変わるという不安定な状況に置かれ、ひたすら泣き続けてすさまじい無力感と挫折感を訴えた。でも、今となっては永遠の家族を手に入れた。毎年成長して、毎日強くなっている。非力な被害者ではなく、主体的に考えて感情を表現し、問題に対応する強さを身につけていっている。

娘が直面する試練について対応策を考えられるように、わたしはできるかぎり前もって説明をする。そして、どんなことがあっても母親に相談すれば解決できると繰り返し伝えている。すべての問題を解決してあげることはできないとしても、いつでも頼れる存在がいると娘に確信させてあげたいからだ。

*1…2020年10月、1歳4カ月の女児が養子縁組先で虐待死した事件。BTSのジミンら著名人が追悼コメントを発表したことで大きな注目を集めた。
*2…事件発生当時、文在寅大統領が記者会見で児童虐待事件の再発防止について質問され、「養親の気持ちが変わることもあるため、一定期間中は取り消したり、子どもと合わなければ変えたりというかたちで養子縁組ができるような対策が必要だ」と発言。「養子を返品可能なものにたとえた」と国民の非難が殺到した。
日本において特別養子縁組制度は配偶者のいる人に限られていますが、一定の要件を満たしていれば、独身者でも里親になることは可能です。

(前編:独身の彼女が韓国で「2人の養子」を迎えたなぜ

(翻訳:藤田麗子)

ペク・ジソン 編集者

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ぺく・じそん / Peku Jison

出版社トタルンウジュ(もう一つの宇宙)代表。20年間、編集者としてさまざまな組織での勤務を経て、2022年に出版社を設立。中国最後の母系社会として知られるモソ族に関する記事を読んだことをきっかけに現代版・母系家族の可能性を夢見るようになり、2010年と2013年に女児を養子縁組して育てている。2人の娘と一緒に世の中を学びながら、新たな知識と経験を積み重ねていくことに心をときめかせている。著書に『経済経営本の作り方』(2020年、未邦訳)、訳書に『少女たちの感情レッスン』(原題:YOU DON’T UNDERSTAND ME、タラ・ポーター著、2024年、未邦訳)がある。

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