「猫と子ども天国」セルフリノベの面白い家大解剖 家族と猫と扇風機60台 SNSで人気のなみそさん
「最初は、駐車スペースが1台もなかったので、搬入作業ができなかったんです。ブロック塀を壊して間口を広げて車が6台くらい停められるようにして、ようやく作業ができる状態に。庭は、石や岩がゴロゴロ置かれた荒れ果てた日本庭園でした。
石や岩を処分して、土をすき取って地面を平たくしてからリノベーションを開始。浄化槽の交換や、大量のゴミや瓦礫を袋に詰めて、所定の場所に捨てに行くのも自分たちでやりました」
2023年の2月に空き家を購入して、仕事が終わって帰宅してからや週末に少しずつ作業を進行。設計図はなく、実物を見ながらここをこうしようと考えて頭にある設計図を形にしていきました。家族の居場所が完成した2024年4月に引越し。その後も住みながら改修や増築を進めたものの、なかなか完成しないので、知り合いに『サグラダファミリアの家』と呼ばれたそう。
「大工のお父さんや仲間にも手伝ってもらいましたが、職人さんは雇ってないので工事費用はゼロです。材料もネットやホームセンター、リサイクルショップなどで安く購入しました。
さらに、空き家リフォームなどの補助金を活用、浴槽と浄化槽交換で90万円、サッシの交換で70万円ほどの補助金が出たのも大きかったです(申請、検査などが必要、限度額は自治体により異なる)」
猫が自由に動いて遊べる場とトイレ部屋をつくる
「理想の家は、猫たちが自由に遊び回れるような猫ファーストの家。猫たちの家に人間が住まわせてもらっている感じです」と、なみそさん夫妻。
リビング・ダイニングには、猫たちが走り回れるキャットステップやキャットウォーク、木の造作階段を組み合わせてアスレチックのような変化のあるコースをつくり、猫たちが好きなときに、好きな所に登って遊べるようにしました。
「テレビの上にある障子部分は、猫が通ると影絵のように姿が映し出されるようになっていたり、人間が肉球を眺められるように透明なアクリル板の道も設け、人も猫も楽しめるようにしました」。障子の裏に電気を仕込んだり、リビングの天井にダウンライトを2列にしつらえるなど、電気工事のプロならではの照明使いも見事です。
テレビの下の4つの穴は4匹の猫の寝床であり居場所ですが、あまり入ってくれないそう。また、テレビの脇に設けた家の形のスリット窓は玄関の靴箱の天板とつながっていて、家族が帰宅したときに猫が顔を出して出迎えてくれます。かずまさんこだわりのスリット窓は、Xでも多くの反響がありました。