38歳早稲田卒女性が遂に納得の結婚に至れた経緯 東京、福岡で転々と働いた彼女に訪れた「優しいご縁」

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付き合って3カ月後には「これからもずっと一緒にいたいね」という正人さんに対して、「じゃあ結婚しようか」と恵子さんのほうからプロポーズ。両家顔合わせなどもスムーズに進んだ。

「彼の家族はほんわかと仲が良くて、みんな真っすぐ。私は母と祖母の仲が悪かったこともあって家族にあまりいいイメージがなかったのですが、彼の家族に加えてもらえて嬉しかったです。おかげで、結婚してから不妊治療を始める気持ちになれました」

ちなみに正人さんは法政大学の卒業生で、妹や従兄弟も早稲田や慶応卒。恵子さんは「学歴が私と近いように感じたのも安心要素になりました」と語る。マッチングアプリでの出会いには共通の知り合いやコミュニティがないため、少しでも共通点を見つけたくなるものなのかもしれない。

転居が多く、起業も経験した恵子さん。借金はないけれど貯金額が少ないという不安要素があることも伝えた。正人さんは「そんなに不安ならば結婚費用は僕が多く出すよ。3(正人さん):1(恵子さん)でどう?」と提案。駐在員時代に貯まったお金が2000万円ほどあると誇らしげに披露してくれた。

「言い方はおかしいかもしれませんが、彼にはMっ気があるのだと思います。お金は出すけど女性にリードしてほしいタイプです。新居は福岡市内のタワーマンションの中層階を購入しましたが、『どこに住むのかは恵子さんが決めていいよ』と言ってくれました。ローンは彼が単独で組んだのですが……。ボーナスの明細を『A評価がこんなにあったんだよ』と見せてきたりするのは私の学生時代の女友だちの旦那さんたちにも共通しています。私たちワセジョを選んでくれるのは年下気質の男性なのかもしれません」

夫の愛情に包まれ、幸せな日々

正人さんは毎日のように「すごくかわいい」と恵子さんを褒めてくれるという。かつては追いかけるような恋愛を望んでいた恵子さんは、今では正人さんの愛情に包まれる幸せに浸っている。

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「彼の転勤、私の仕事、子どもができるのかどうか、などの不安点は尽きません。PayPayも拒絶するほどアナログで現場系の彼とIT系の私では相容れないところもあります。でも、私にないものをたくさん持っていて優しい彼とその親きょうだいを大切にしたい気持ちは変わりません。私たちも温かい家族になっていきたいと思っています」

精神的に弱ったから素直になって結婚できた、と自己分析する恵子さん。筆者は少し違う感想を抱いた。東京の賑やかで華やかな世界に憧れ、そこで恋愛も起業も経験したが、肩ひじを張って無理をしていた部分も多かったのではないだろうか。「なりたい自分」には往々にして他人の欲望が入り込んでしまうものだから。

虚飾の部分を脱ぎ捨て、自分本来の欲望と向き合い、それを受け止めてくれる人たちと安らぎと前向きさに満ちた関係性を作ること。それは弱さではなく強さだと言える気がする。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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