ゆるいのにやせる!効率よく脂肪を燃やす走り方 カリスマトレーナー直伝、理想のジョギング

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縮小

「例えば、脳機能が上がります。脳にある海馬は記憶や感情のコントロールなどを司る部分ですが、年とともに縮小するとされています。歳をとって忘れっぽくなったり、怒りやすくなったりする人がいるのはこのため。でも、有酸素運動をすることで、海馬が逆に大きくなることがわかっているんです※2

走ることによって、記憶力が上がるのはもちろん、感情にふりまわされないメンタルも手に入るといえそうだ。うれしい効果はまだある。

「人間の体は、加齢によって毛細血管が減っていきます。血管が減ると、栄養を運ぶ“道”がなくなって老化が加速するんです。でも、これらの血管は、ジョギングなどの運動によってのみ増やせることがわかっています。毛細血管が増えれば増えるほど、栄養を体のすみずみに運ぶことができ、細胞レベルで健やかな状態に変わっていけるということです」

ジョギングを始めてみたら、体が引き締まり、脳が冴えてきた。いろいろなアイデアが湧いてくるし、メンタルも安定していい感じ。さらにアンチエイジング効果で肌ツヤまで良くなっていた……こんなビジョンが見えたら、あとは始めるだけ。では、どんなふうに走ればいいのだろう。

※2 柳本広二・中城有香子・大和恵子(2017).「脳機能を高める分泌性タンパク質、脳由来神経栄養因子:BDNF」環境が制御する道具としての、気力と記憶 洛和会病院医学雑誌 Vol.28:7-24。Erickson,K et al(2010).Exercise training increases size of hippocampus and improves memory PNAS.1015950108

10分を3回にわけて走る、運動不足なら筋トレをプラス

WHO(世界保健機構)は、少なくとも1週間で150分間の運動を推奨している。これにならうと、ジョギングの頻度は「1日あたり30分間を週5日」が目安となる。

中野ジェームズ修一
中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)フィジカルトレーナー/米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やマラソンの神野大地選手など多くのアスリートの指導実績を持つ。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。東京神楽坂にある会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」の最高技術責任者を務める。『世界一やせる走り方』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)など著書多数(写真:本人提供)

「1回に30分走ってもいいし、朝・昼・晩の3回に10分ずつ走るのもオススメです。もしキツければ、最初は1日10分を週2回でも大丈夫。なるべくハードルを下げて、体を慣らすことから始めましょう」

朝の通勤時は、なるべく早足で10分ほどかけて駅まで歩く。昼は、ランチをとったら再び歩く。夜は夕食後にジョギングをする……こうした習慣でも構わない。

ちなみに、走るタイミングとしてベストな時間帯は「食後90分以内」だと中野さん。これは、血液中に最も糖が多くなる“高血糖”状態が食事の90分後にやってくるからだ。

「糖は血液にのって全身をめぐり、脂肪に貯蔵されると体脂肪になり、筋肉に貯蔵されれば筋グリコーゲンになります。糖を筋肉に貯めたければ、高血糖状態になる前に筋肉を動かせばいい。こうすると筋肉のグリコーゲンが使われて内部にスキマができ、そこを目がけて糖が集まってくるんです。一方、運動不足で筋肉にスキマがないと、糖はすべて脂肪に行ってしまいます」

食後90分以内に運動すれば、糖の行き先を筋肉にできる。さらに、定期的に運動を続けていると、同じ食事をしても血糖値が上がりにくくなり、脂肪に向かう糖も減って体重減少に弾みがつく。

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