鈍行少ない、「特急率」が高い鉄道路線ランキング 普通列車が少なく「18きっぱー」にはつらいよ

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特急率70%以上となる区間は峠越えなどがあるところが多く、生活圏、文化圏をまたいではしるところばかり。主に地域の人が利用する普通・快速列車が少ないもの致し方ないというところだ。ちなみに1位の区間は石勝線が開業以来普通・快速列車が1本も走っていない(そのため、特急でも「青春18きっぷ」に乗車できるという特別ルールがある)。

だが、中には石勝線の追分―新夕張間、中央本線の木曽福島―中津川間のように峠越えを含まない区間もある。そこで、特急率70%を超える13区間について、10年前の時刻表と特急率を比較してみると、このような結果となった。

 会社名  路線名  区間        変化率
 JR北海道 石勝線  新夕張―新得間   ±0%
 JR九州  日豊本線 佐伯―延岡間    +3.7%
 JR北海道 石勝線  追分―新夕張間   +31.5%
 JR東日本 田沢湖線 盛岡―田沢湖間   +0.5%
 JR四国  土讃線  大歩危―土佐山田間 +8.1%
 JR九州  日豊本線 中津―別府間    -0.6%
 JR東日本 田沢湖線 田沢湖―角館間   +0.6%
 JR東日本 奥羽本線 福島―米沢間    ±0%
 JR四国  土讃線  琴平―阿波池田間  +6.0%
 JR東海  中央本線 木曽福島―中津川間 +15.7%
 JR四国  高徳線  三本松―板野間   +8.2%
 JR北海道 函館本線 滝川―旭川間    -7.3%
 JR北海道 室蘭本線 長万部―洞爺間   +18.1%

特急が減ると、運賃が上がる?

特急しか走らない石勝線の新夕張―新得間、JR九州の2区間、秋田新幹線の通る田沢湖線、山形新幹線の通る奥羽本線は数値に大きな変化がなかったが、普通列車の削減によりJR四国の3区間で特急率が5%以上、JR東海で15%、JR北海道では18~31%ほど上昇していた。さらにJR北海道函館本線の滝川―旭川間では、特急列車を削減する動きが進み、その結果特急率が減少するという現象まで起こっていた。

特急列車が増え、普通・快速列車の利用者が特急に乗るようになれば収益が上がる。これまで鉄道会社はそのようなビジネスモデルで特急率を上げ、運賃の値上げを最小限に抑えていたと思われる。が、函館本線の滝川―旭川間のような、特急列車さえも削減しなければならない現象が広がれば、乗車券の大幅値上げなどの新たな動きが起きてくるだろう。

渡辺 雅史 時刻表探検家

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わたなべ まさし / Masashi Watanabe

1975年生まれ。フリーライターとして、週刊誌や月刊誌で記事を執筆するほか、テレビやラジオ番組の構成にも携わる。2009年、国内の鉄道に完乗。時刻表の誌面に載っている"変な列車"や"味のある列車"を探すことをライフワークとしている。

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