「1年で最悪の9月」に日本株を買ってもいいのか 「9月に買えば年末年始高で売れる」が正しい?

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今年はどうだろうか。あらためて5月の日経平均を振り返ってみると、21立会日の終値の平均値は3万8557円だった。ということは、5月に売って暴落した8月5日に買い戻せば大きな利益が出たわけだが、それは終わってから見た数字の遊びにすぎない。

冒頭に書いたとおり、8月末の日経平均は3万8647円だ。持続していれば今は5月とほとんど同水準で、成果は9月を待つということになる。

もし9月が最悪だという統計を逆手にとって、下がればチャンスとみて買われるのなら、下がらないばかりか、高くなることだってある。とくに今年の9月は日米の相場とも、景気動向とそれに対する金融政策の舵取りが難しく、微妙なバランスの中にある。わずかな振れで相場が大きく動く可能性もあり、私は近年で最も面白い9月になると思っている。

狭いレンジの中に押し込められている日経平均

では、実際のところ、9月相場はどうなるだろうか。日経平均のチャートから占ってみよう。前述のとおり、8月相場は5日の日中に3万1156円台まで下落するなど大波乱となったが、それは月前半のスタート時点だけで、日経平均のその後は徐々に回復した。

とくに8月16日から3万8000円「乗せ」と「割れ」を交互に繰り返したあと、22日からの終値は3万8000円台半ばまでの狭いレンジのモミ合いとなっている。しかも、市場の大局は8月5日で底入れしたとの共通の認識を持ちながらも、ローソク足は短期・中期・長期の代表的移動平均線である25・75・200日移動平均線の束の中に閉じ込められたような形で、脱出できずにいた。

これはこの3万8000円台のゾーンがここ数カ月の最も多い売買高ゾーンであり、同時に最も厚い抵抗ゾーンとなっているためだ。「やれやれ売り」が間断なく出て、上値を圧迫している。このゾーンを突き破る明確な買い材料も出ていない。

しかも、一企業の決算というより、今や最大の経済指標となっているエヌビディアの2024年5~7月期決算発表が終わり、市場の変動要因としての同社の価値は、今後急速に低下していくと思われる。

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