大島優子は「箱根ショック」の小田急を救うか 火山活動の活発化が響き観光客が減少
運輸事業以外では、小田急は箱根エリアで「山のホテル」「箱根ハイランドホテル」などのホテルも運営しているが、宿泊客数の落ち込みは必至。つまり、箱根の火山活動の影響は運輸事業にとどまらず、会社全体に及ぶ問題といえる。
映画の舞台に小田急が選ばれた理由
こうした状況下、巻き返しの起爆剤として小田急が期待を寄せるのが、8月29日に公開される、映画「ロマンス」だ。
ロマンスカーのアテンダントが箱根で1日だけのプチトリップをするというストーリー。主役を務めるのは、元AKB48の大島優子さんだ。
大島さんが訪れる観光名所のシーンは魅力満点で、見ているうちにロマンスカーに乗って箱根に行きたくなる。何とかして箱根への観光客を回復させたい小田急と箱根の関係者にしてみれば、まさに救世主といえる映画である。
なぜロマンスカーのアテンダントが主人公の映画が作られたのか。映画を配給する東京テアトルによれば、もともとのプロットでは、主役は「鉄道の車内販売員」であり、必ずしもロマンスカーのアテンダントではなかったという。
車内販売員が乗る列車を抱える鉄道会社といえば、JRや小田急、東武など数社に限られる。これらの路線のターミナル駅は、東京、上野、新宿、品川、浅草などだが、「旅情を感じつつ、主人公の女性が駅の近くで生活しているというのが監督の希望」(東京テアトル)だった。
東京駅は旅情満点だが、駅の近くで生活しているという感じではない。浅草は生活感たっぷりだが、主人公である26歳の女性が近くに一人暮らしをしている駅としては新宿のほうがより現実感がある。こうした理由から、ターミナル駅は新宿に絞られた。
そして、新宿を発端に小田急が第一候補となり、そこから箱根を観光するというストーリーにつながった。箱根は観光スポットがたくさんあり、1日で回れるという点も、ストーリーにぴったりだったという。
映画のプロデューサーから電話で撮影協力の打診を受けた小田急側も、「今まで電車を取り上げていただくことは多かったが、アテンダントに光を当ててくれるのは非常にありがたい」ということで、会社を挙げて応援することが決まった。
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