米ディズニーが復調、映画から始まる「反転攻勢」 動画配信は日本でも他社との連携を強化へ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そうした中で発表された今後のラインナップには、日本でもよく知られる作品の続編が相次いだ。『トイ・ストーリー5(原題)』を2026年6月19日に全米で公開すると発表したほか、『インクレディブル・ファミリー』第3弾の制作決定を初めて公表した。

ほかにもディズニーアニメーション『アナと雪の女王3(原題)』(2027年全米公開)の制作や、実写版では『アバター』の第3弾を2025年12月19日に全米で公開すると発表。スター・ウォーズの7年ぶりの新作も予定されている。

例年と比べて作品数が多かったわけではないが、コロナ禍やハリウッドの脚本家と俳優のストライキ(2023年)を経ても、ディズニーの制作力が高い水準で維持されていることを示したといえる。

動画配信が初の黒字転換

最大の課題である「ディズニープラス」を始めとした動画配信も、ようやく収益化のメドが立ってきた。2024年4~6月期決算では動画配信部門(Hulu〈フールー〉とスポーツ配信ESPNプラスを含む)が黒字に転換した。これは2019年にディズニープラスを開始して以来、初めてのことだ。

フールーとのバンドル(組み合わせ)で会員数を維持したほか、コンテンツ面でも2月末に配信を開始した真田広之主演の『SHOGUN 将軍』をはじめ、評価の高い作品が多かった。SHOGUNは、9月15日に発表されるテレビドラマに対する権威ある賞、エミー賞で、作品賞や主演男優賞など25部門にノミネートされている。

SHOGUNのブースには甲冑や着物が展示されていた。評価の高い人気作だ(記者撮影)

ただし、ディズニープラスの会員数は、7月末で1億5380万人にとどまる。2億7765万人のネットフリックスの背中は遠い。9月からはアメリカでフールー作品やグループのABCが制作するニュースなどの番組を広げるとともに、10月には10%~25%の料金値上げを実施する。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーなど他社とのバンドルも増やす方針だ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事