休憩が有利?意外な人が活躍する「ゆるスポーツ」 苦手なら、人でなく「スポーツが変われ」ばいい

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──企業や自治体とコラボして生まれた「ゆるスポーツ」もあるとか。

「ハンぎょボール」は、ハンドボールとブリの街である、富山県氷見市とつくりました。ブリのぬいぐるみを脇に挟んだままボールを投げるのですが、得点すると脇に抱えるブリが出世して大きくなります。つまり、だんだんシュートを決めづらくなるわけです。物を脇に挟むことで全員が平等に下手ですし、活躍するほど動きにくいというジレンマも、出世魚であるブリの特性が反映されているので、腑に落ちるんですよね。

ハンぎょボール
(写真:世界ゆるスポーツ協会サイトより)

僕らは「ゆるスポーツ」と謳いながらも、ルール設定は「ガチ」です。スポーツマイノリティーの人たちも楽しめるかは念入りに検証しますし、すべてのルールに必然性を持たせたい。必然性だけでスポーツをつくれば、作り手の邪念や流行が入る隙はできません。そのため、一時のブームに左右されない普遍的なコンテンツが完成します。100年後も残っておかしくない「ゆるスポーツ」づくりをしています。

遊びの価値は、思い切りトライアンドエラーできること

──近年の「ゆるスポーツ」の傾向として、特徴的な流れはありますか。

「ハンぎょボール」のような「ご当地ゆるスポーツ」が増えています。「世界ゆるスポーツ協会」の地域支部「横浜ゆるスポーツ協会」が誕生し、地域でご当地スポーツをつくって自分たちで運用し、イベントなどを回していく動きがあります。

小学校を中心に、学校で自発的に「ゆるスポーツ」をつくる動きも増えています。例えば昨年、徳島県三好市の某小学校では、ご当地ゆるスポーツをつくるための年間スケジュールを先生と児童たちで決め、50時間以上かけて完成させました。お披露目イベントも企画し、地域の人にビラを撒いたり、徳島県知事にも連絡して来訪してもらったそうです。

──子どもたちは「ゆるスポーツ」づくりを通じて成功体験を得られるのですね。

想像以上に子どもたちの発想が豊かで、僕たちも勉強になっています。このような経験は、子どもたちの大きな未来につながるのではと強く感じています。

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