米ディズニー、テーマパーク「超大型投資」の野心 クルーズ船やゲーム事業も一貫して展開

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テーマパークは、当たり外れの大きい映画や競争の激しい動画配信を含むエンターテイメント部門に比べて、安定的な収益が見込める。ディズニーにとってテーマパークへの投資は、成長のために不可欠な要素だった。

ファンも期待を寄せているようだ。カリフォルニア州在住の20代男性は「最近はユニバーサルに勢いがある。ディズニーはもっとテーマパークをがんばってほしい」と声を弾ませた。

アメリカのメディア大手・コムキャストの子会社、NBCユニバーサルは2025年フロリダにテーマパーク「ユニバーサル・エピック・ユニバース」を開業する。5つのエリアで構成され、その中の1つとして任天堂が「スーパーニンテンドーワールド」を展開する計画。フロリダでのテーマパークの強化は、こうした競合の動きをにらんだものでもある。

後発のクルーズ船は質で勝負

テーマパークの拡張と併せて発表されたのが、クルーズ船事業の強化だ。

現在5隻ある保有船を2031年までに13隻に拡大する。オリエンタルランドが先日発表したクルーズ船もこの中に含まれる。2025年には初めてアジアを拠点とするクルーズ船が、シンガポールを母港に就航する見込みだ。

クルーズ船を現在87隻保有する最大手のカーニバルコーポレーションなどと比べると、ディズニーは後発だ。その中でディズニーは質で勝負する。クルーズ船の開発は、テーマパークの開発を一手に引き受けるディズニーの社内部門、イマジニアリングが担当。1隻ごとにコンセプトやデザイン、船内で展開されるショーなどを作り込む。

オリエンタルランドは7月にクルーズ事業参入を発表。投資総額は3300億円だ(撮影:風間仁一郎)

「デスティニー号」「トレジャー号」など、船名は単なる名前ではなく、それらのテーマに沿った物語を体験できるようにするという。クルーズ船の責任者であるトーマス・マズルーム氏は、「クルーズ船は独立した事業ではない。テーマパークから学び、連携した事業となる」と話す。

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