アイデア出しに「9つの不満」を探すのがいい理由 不満は会議室ではなく「現場」で起きている

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その後チームで街を歩き、飲む場所への不便や自販機への不満を集め、さらに大きな社会の不満も拾い集め、それらを不満ビンゴ(図参照)の9つの枠で整理した。

机上で考えず、現場で不満を拾うことから始める。僕たちはこの「不満のフィールドワーク」を通じてまさに「不満は現場で起こってるんだ」と実感し、これこそがリアルに求められている開発だと認識した。

「不満」を言うときは「アイデア」をセットで

さて、ここまで話しても、不満をベースに開発するのに抵抗がある企業や人がいるのも事実。前述のように、日本は「不満」を毛嫌いする文化があり、不満を言う人を避ける傾向がある。

社外取締役をやっている友人が「世の中の不満や社内の不備をまっ先に指摘する役割なのに、それを言うと煙たがられてしまう」と嘆くほどだから、社員が「不満」を言うなどご法度な空気なわけである。

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だが、不満は大切な未来の種なのだから言うほうがいい。そこでおすすめなのは「不満を言ったら同時にアイデアを言う」こと。セットにすると、意外なほど議論が前向きになりビジネスのファインディングス(気づき)も生まれやすくなる。

さらにみんな「ここが問題だけどこうすればいい」という解決話が好きだから「あの人は面白い話をする」と言われるようにもなる。これは嬉しい副産物だ。

実は中学生向けの「アイデア講座」で、「不満+アイデア」で話すようにすすめたら、みんながとても笑顔になりクリエイティブになったこともある。まさに教育にも応用できる思考ツールなのだ。

「不満+アイデア」のセットで話せば、ビジネスは加速し、「面白い人」と呼ばれる。

小西 利行 POOL inc.Founder、コピーライター、クリエイティブ・ディレクター

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こにし としゆき / Toshiyuki Konishi

博報堂を経て、2006年POOL inc.設立。言葉とデザインでビジョンを生み、斬新なストーリーで世の中にムーブメントをつくり出している。主な仕事に、「伊右衛門」「ザ・プレミアム・モルツ」「PlayStation」「モノより思い出。」などの1000を超えるCM・広告作品、「伊右衛門」「こくまろカレー」などの商品開発、ハウス「母の日にカレーをつくろう」、スターバックス「47 JIMOTOフラペチーノ」など多数のプロモーション企画も担当。「Visional」のブランド開発、三菱鉛筆のリブランディングも成功させた。 また2017年に施行された「プレミアムフライデー」の発案・企画・運営にも参画。都市やホテル開発では、越谷「AEON LakeTown」、京都「GOOD NATURE HOTEL」、立川「GREEN SPRINGS」などをトータルプロデュース。話題のハンバーグ店「挽肉と米」オーナー兼クリエイティブ・ディレクターでもある。

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