7割が外国籍、グローバル化する令和の「夜間中学」都内の多数派はネパール人 民族や宗教も多様、給食は禁忌食対応
そんな姿に70代の日本人生徒(1年生)も目を細める。「みんながわいわいしているのが、すごく心地よいです。一生懸命学んでいて、ダイヤモンドの原石のよう。私もこの学校に来て、心の奥底に蓋をしていた『本当は勉強したかった』という思いが一気に開きました」。
奥秋氏は「みんな目がキラキラしているでしょう。勉強したい生徒だけが集まっているからです。これが夜間学級です」と胸を張ると同時に、「夜間学級は教育の原点だと思います。目の前の生徒の成長のために、何ができるか。できる限りの最高の教育と体験を与えてあげることが使命だと思っています。それは日本人だろうが外国人だろうが同じです。だからこそ、われわれ教員の力量が大きく問われている」と気を引き締める。

かつて夜間学級は法的根拠が不明確で「あってはならない学校だが、なくてはならない学校」と言われることもあった。一時期は全国31校まで減少したが、教育機会確保法の施行によって2019年以降は増加に転じ、2024年4月現在は31都道府県・指定都市に53校ある。
「今は間違いなく、あったほうがいい学校だと思います。国も不登校対策に本腰を入れ始めたので、これから学び直しの日本人もどんどん来るようになるでしょう。新たな波が来ているように感じます」(奥秋氏)
フリーランスライター・ジャーナリスト
1980年生まれ。東京都出身。毎日新聞学生記者、化学工業日報記者などを経て、2012年からフリーランス。新聞や週刊誌で著名人インタビューを担当するほか、社会、ビジネスなど多分野の記事を執筆。公立高校・中学校で1年2カ月間、社会科教諭(臨時的任用教員)・講師として勤務した経験を持つ
(写真:中野氏撮影)
執筆:フリーランスライター・ジャーナリスト 中野龍
東洋経済education × ICT編集部
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