ルネサスは長かったトンネルを抜け出たのか 好調な決算だが先行きには不安も
特にルネサスが主軸とする車載用半導体は、スマートフォン需要の鈍化が懸念される中で、半導体メーカーの新たな主戦場となりつつある。新興国を中心に今後も販売台数が増えていくだけでなく、自動運転など次世代技術の登場により、一台当たりの半導体搭載量も増加が見込まれるからだ。
世界トップの座から陥落
この3月には車載用半導体の競合である蘭NXPセミコンダクターズが、米フリースケール・セミコンダクタを買収すると発表し、2015年後半に統合を完了する予定だ。両者の統合により、ルネサスは主力とするマイコンを含めた車載用半導体分野で、世界シェアトップの座から陥落することになる。また、半導体最大手の米インテルも、2014年5月に自動車向け事業を本格化することを発表しており、競争は激しさを増す一方だ。
「(NXPとフリースケールは統合後、)規模が倍程度になるため、より大きな研究開発費を、先進運転支援システムなどの自動車向け市場の中でも特に高い成長を見込める分野に振り分けることができるようになる。そのような新しいセグメントについて、彼らがどのような出方をするかいまだ予断を許さない状況だ」(柴田CFO)。
ルネサスも、後手に回ることはできない。体質改善のためにこれまで抑制してきた研究開発費は「今期から大胆に方針を変えて、増加基調になっていく」(同)としている。売上高に占める研究開発費の割合は現在11%程度だが、2016年度にはこれを15%まで引き上げるという。残された数少ない日の丸半導体の闘いは、さらに熾烈になりそうだ。
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