こんなにセクシー!「キラキラ甲虫」の秘密 昆虫研究者が惚れた、美しすぎる虫たち

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もちろん、昆虫たちの迫力ある質感を体現したのは、印刷技術による貢献も大きい。昆虫に取り憑かれた著者と、高度な印刷テクノロジー、そして、出版社の熱意が合わさって、奇跡的な一冊が生まれたのかもしれない。本書はいずれ電子版でもリリースされるかもしれないが、おそらく、紙版のクオリティには及ばないだろう。本書は、紙の本のさらなる可能性をも感じさせてくれる。

甲虫の種類は約37万種!

さて、タイトルにある通り、本書は昆虫の中でも甲虫のみを収録している。ご存知の方も多いと思うが、昆虫は地上で最も繁栄している生物群である。その昆虫の中でも甲虫は特に栄えており、約37万種が知られている。甲虫にはカブトムシやクワガタムシを含むコガネムシ上科をはじめ、オサムシ上科、タマムシ上科、ゾウムシ上科、そして、カミキリムシ上科が含まれる。甲虫が栄えた大きな要因として前翅の硬化が挙げられる。昆虫のほかの仲間は二対四枚の羽を使って飛ぶが、甲虫では硬化した前翅二枚は飛翔には使わず、後翅二枚のみで羽ばたく。前翅は後翅を収納・保護する。これにより、天敵から身を守ったり、土の中を潜ることが容易になり、地上のさまざまな環境に適応することができた。

プラチナコガネ

種数の多い甲虫だけあり、形態のバリエーションも豊富だ。とりわけ、熱帯地方にはメタル感あふれるきらびやかな色彩を放つ種類が多い。これらの金属光沢は構造色といい、光が当たると発色する。表面の微細構造によって異なる光の波長を反射するため、部位によってさまざまな色に見えるわけだ。

人々を魅了してきたこれらのきらめく甲虫たち。種類によっては、高値で取引されることもある。中南米に棲息するプラチナコガネなどは個体数も少なく、重量あたりの取引金額は金よりも高いとか。

ここで、本書に収録されている200種類のうち、私の独断と偏見で選んだかっこいい甲虫ベスト5を発表したい。

    

■第5位:サザナミマダガスカルハナムグリ

マダガスカル産だが、まるで北斎の作品のようなさざ波模様が粋。

 

第4位:ニジモンカタゾウムシ

いきいきとした水玉模様がグッド。

サザナミマダガスカルハナムグリ(左)とニジモンカタゾウムシ(右)
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