超意外なキーエンスの新事業「ネット通販」参入か ライバルはMonotaRO?ヴェールに包まれた戦略
製造業をターゲットとしたBtoB向けのECサイトやプラットフォームは、すでにいくつも存在する。MonotaROやミスミグループ本社(ミスミG)、Amazon、アスクルなどがメイカーズのライバルとして想定されそうだ。
「あのキーエンスが参入してくるのだから、何か仕掛けがあるはず。サイレントで進めているのも不気味だ」。ある競合企業の幹部はそう語る。普通のありふれたネット通販事業を展開するだけだろうかと警戒感をあらわにする。
直近実績の営業利益率を見ると、MonotaROは12.3%(2023年12月期)、ミスミGは10.4%(2024年3月期)。後者は部品メーカーとしての顔も持つため、純粋な流通事業だけの数字ではないが、キーエンスの本業である高付加価値センサーなどの製造販売と比較し、既存の手法ではそこまで儲からないと言える。
顧客はキーエンスの取引先
なぜ、キーエンスはこの分野に手を延ばしたのか。転職サイトでメイカーズが募集する営業職の業務内容を見ると「提案先は従来キーエンスと取引があるお客様が中心で、いわゆる飛び込み営業は一切ありません」と記されている。
キーエンスの強みは直販体制だ。熟練の営業担当が顧客と直接やり取りを重ね、現場の課題や生産状況を知り尽くした上で、最適な自社製品を提案してソリューションをもたらす。この一連の動きを徹底することで、高収益を上げ続けている。
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