わずか3~4年「検診受けなかった」彼に起きた悲劇 40代で死を意識した医師が後輩に遺した「言葉」

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咳が続くのがコロナの後遺症だと思っていたら、肺がんだったというケースもあります。もし何か「いつもと違う」症状が続いているなら、先延ばしせずに受診してください。

そして、検診の結果、「精密検査が必要」と判定されたら、早期がんを見つけられるチャンスと考え、自分のため、そして心配してくれる周りの人のためにも、すぐに精密検査を受けるようにしましょう。

放置しているほうが怖い結果を招く

コロナ禍で精密検査を先送りにするうちに、がんが進行してしまった例もあります。「要精密検査」と判定された場合、「がんではないか」と怖く感じる人もいると思いますが、放置しているほうが怖い結果を招きかねません。精密検査は、必ず受けてください。

また時折、「何か病気が見つかると怖いから、検診に行きたくない」という人がいます。しかしこれは、言わずもがな本末転倒で、手遅れになってからの受診では遅いのです。

本当に怖いのは、知らず知らずに病気が進行してしまうことだと認識しましょう。

現役世代は、仕事や家族の健康を優先して、自分の健康を後回しにしてしまいがちです。親が子どもの体調の悪さに集中してしまい、自分の健康を後回しにしてしまうケースも同様です。

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しかし、自分がいないと困る人がいるならなおさら、自分の健康を保つことが大切です。後回しにせず、しっかり自分の健康と向き合ってほしいと思います。

近年、がん治療は大きな進歩を遂げ、以前のように“不治の病”ではなくなっています。がんと診断されてから5年後も生存する「5年生存率」も上がっていますし、がんの種類によっては、早期発見と早期治療によって、9割以上が治る時代です。

自分の健康と大切な人のためにも、定期的な検診を怠らないようにしましょう。

(構成:ライター・松岡かすみ)

中村 明澄 向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医

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なかむら あすみ / Asumi Nakamura

2000年、東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」・緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。近著に『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社+α新書)。

 

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