中国「勝ち組エンジニア」が語る日本移住の決め手 マイバッハに乗り温泉満喫しつつAIで起業も

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当時、有名大学や大手テック企業の集まる同地区にはインキュベーター(ベンチャー企業を支援する組織)があちこちで立ち上がり、スタートアップの黄金時代といえるほどの活気があった。そして、程なくしてその会社がバイトダンス社に買収されたのだった。

彼は都心に2軒の住宅を所有しているほか、長野・安曇野と沖縄・宮古島に借りている邸宅にも季節に応じて滞在する。

愛車は3000万円する高級車のマイバッハ。また、JR東日本の運営する豪華列車「四季島」にも2度乗ったことがあるという。2023〜2024年にかけての年末年始には、タヒチのプライベートアイランドに2週間滞在し、その総費用は1200万円とのこと。こうしたライフスタイルから、彼の金回りのよさは想像できる。

大学入学後、プログラミングを学び始めたころの郭宇氏。経済的に自立するため必死だった(写真:郭宇氏提供)

2022年春の上海ロックダウン以降、中国を脱出し海外へ移住する「潤」(中国語の発音表記でRun。英語のRun(逃げる)とかけて、中国を脱出することを意味する)が大流行した。

郭氏も、コロナ禍以降、多くの中国人にとってそうだったように、日本が移住目的地として初めて「選択肢の1つ」になったと振り返る。

日本を選んだ経緯について郭氏はこう語る。「完全に個人的な観点から(の決定)でした。生活のクオリティがよく、私有財産権の保護がしっかりしている。同時に政策が安定していて、変化のスピードがあまり速くない。そんな場所を探していたんです。金融面での条件も勘案して、僕が行ったことのあるすべての国をリストアップしたなかで最も高評価だったのが日本でした」。

移住前に日本を92回も訪問

そもそも彼は移住前に、すでに92回も日本を訪れていたというほどの日本贔屓だ。さらに本人は温泉マニアで、日本のほとんどの有名温泉を制覇している。温泉については「何時間でも語れるほど」と笑う。「日本には大小合わせて3万ほどの温泉がありますが、有名どころには全部行ったことがあります」。

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