ニューオータニ、儲けるだけの再開発しない矜持 「ミスター総支配人」が語る究極のホテル作り

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――ほかのホテル御三家のオークラ東京は2019年に建て替えが終了し、帝国ホテル東京も建て替えを予定しています。ニューオータニはどうなるのでしょうか。

金融機関などからすると、これだけの立地があるのにいまの収益性はもったいない、再開発をすれば収益性は上がる、という見方もあるだろう。

しかし、オークラ東京建て替えの際には、顧客から「自分たちが愛したオークラをまったく新しいものにしないでくれ」、「ロビーなどは同じような環境にしてくれ」という声があがったという。その声に応えたオークラさんは素晴らしい。

大事に使い続けることもホスピタリティ

親子2代で、ニューオータニで披露宴を挙げている方もいる。思い出の披露宴場をなくしてしまうのはいいのだろうか。顧客の声を聞かず、経済原則だけでホテルを建て直すことは許されないと思う。

私はニューオータニに45年在籍している。入社前から、首都高から見えるザ・メインとガーデンタワーの景色が好きだった。最近のホテルは複合ビルに入居するタイプが増えている。外から見てアイデンティティがあるホテルはここくらいだ。

建て替えには環境負荷が大きいことなどを考えても、大事に使い続けることもホスピタリティだと思う。

星出 遼平 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ほしで・りょうへい / Ryohei Hoshide

ホテル・航空・旅行代理店など観光業界の記者。日用品・化粧品・ドラッグストア・薬局の取材を経て、現担当に。最近の趣味はマラソンと都内ホテルのレストランを巡ること。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事