米国農地バブルを検証する[下]--北東部4州にまたがる巨大シェールガス田「マーセラス・シェール」争奪戦の狂乱

米国では、天然ガス業界における劇的な技術改良に伴い、地下シェール層のガスを採取すべく、有望なガス田に掘削業者たちがものすごい勢いで群がっている。特に、米国北東部4州(ウエスト・バージニア州、ペンシルベニア州、ニューヨーク州、オハイオ州)にまたがり、全米最大のシェール層といわれるマーセラス・シェール・‘プレイ’(‘プレイ’とは、シェール層の最も豊富な区画)が有名だ。

マーセラス・シェールでブームが始まったのは、独立系のレンジ・リソーシズがペンシルベニア州南西部のサウス・プレザントという町で最初にガス井を掘削した2004年のことだ。現在、その地域には1000本以上のガス井が掘られている。ガス業界の予測では、10年以内に3000本のガス井が掘られるだろう、という。

過去3年間のガス掘削業界の活況ぶりは、他の業界の沈滞ぶりと比較するとあまりに対照的だ。掘削会社は地元の地主を一軒一軒訪ね、地下にあるガス採取のために土地のリースを申し出る。地元紙は2分の1エーカー(1エーカー=約0.4ヘクタール=約1200坪)の小地主から100エーカー以上の大地主まで、さまざまな地主とやりとりする掘削業者の記事でいっぱいだ。

マーセラス・シェール・ブームの主役たちの顔ぶれは、チェサピーク・エナジー(オクラホマ・シティーに本拠、160万エーカー所有ないしリース)、レンジ・リソーシズ(テキサス州、140万エーカー)、アトラス・エナジー(52万エーカー)、EQTコープ(40万エーカー)などだ。

石油メジャーも参画している。例えば、エクソン・モービルは天然ガス生産会社では全米10位内に入るXTOエナジー(マーセラス・シェール地域の広大な土地を所有)を昨年買収した。シェブロンは、すでに前述のアトラス・エナジーを買収し、同地域での活動を活発化させている。

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