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ニッスイ社長「もう水産だけの会社ではない」 食の企業を目指して、海外を伸ばしていく

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ニッスイ社長の浜田晋吾氏
浜田晋吾(はまだ・しんご)/ニッスイ社長。1959年東京都出身。83年東京大学大学院農学系研究科卒業、同年日本水産(現ニッスイ)入社。山東山孚日水有限公司総経理、当社食品事業執行、専務執行役員などを経て2021年6月から現職。(撮影:今井康一)
漁業・養殖、加工、販売の「水産事業」、冷凍食品や練り製品などの「食品事業」を展開するニッスイ。停滞していた業績は、近年回復傾向にある。今2023年度も純利益235億円と、最高益を更新する見通しだ。以前のニッスイから何が変わったのか。そして成長への「次の一手」は何か。浜田晋吾社長に聞いた。

──10年ほど前は営業利益が数十億円でしたが、近年は200億円前後で推移しています。

2000年ぐらいから海外の食品会社へ投資したが、当初はうまくいき、いい気になってしまった。失敗することが増え、そのピークになったのが、10年ごろだった。

出血を止めようと、不採算事業の整理を進めていき、だいたい終了したのが5〜6年前のこと。以降は業績も安定してきた。成長への「種」をまきすぎてしまったというのは反省点であるが、仏シテ・マリン社や米ゴートンズ社など、(事業整理後も)残った企業は優秀だ。

前22年度も最高益を更新できた。食品事業は原材料高で苦戦したものの、水産事業でカバーした格好だ。水産の好調要因は、魚価が高かったことが大きい。手持ちの在庫は比較的安価だったので、売ればある程度利益が残せた。とくによかったのが養殖事業だ。不漁で市場全体のブリの供給量が少なくなる中、完全養殖ブリ「黒瀬ぶり」の強みが発揮できた。

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