ガソリン車縮小で日本メーカーは再興できるか? 中国市場で起きている「電動化シフト」の中で

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しかし、日産はシルフィのほかに人気モデルを生み出せていない。2番手モデル不在、といえるのだ。シルフィに次ぐ主力モデルは「キャシュカイ」「アルティマ」だが、それぞれ日系SUVの第7位、日系セダン第9位となっている。

中国で日産の再量販モデルとなるシルフィ(写真:日産自動車)
中国で日産の最量販モデルとなるシルフィ(写真:日産自動車)

シルフィ、キャシュカイ、アルティマの3モデルを除くと、中国市場における日産ブランドの存在感は薄い。主力SUVの不振とディーラーの値引き販売に加え、中国における日産車のブランド力そのものが低下していると見られる。

日産の中では人気モデルのシルフィも依然、日系車の首位ではあるものの、中国新車市場全体のランキングでは、2022年からBYDの王朝シリーズ「宋」に抜かれ、2023年には、第4位に転落した。同モデルは“10万元切り”の低価格で販売しているため、さらに値下げする余地は少ないだろう。

兄弟車での「カニバリ」がホンダの課題

ホンダは、主力モデルが中国勢のBEVに対し、省エネ技術での差別化が難しくなっている。2023年の中国販売台数では、SUVの「CR-V」とセダンの「アコード」が、それぞれ東風ホンダ全体の35%、広汽ホンダ全体の29%を占めた。

中でもロングセラーのCR-Vの販売台数は、外資系ガソリン車タイプのSUVで第2位を維持しているものの、すでにテスラのBEV「モデルY」、BYDのPHEV「宋」に太刀打ちできない状況となっている。

ホンダの電動車両(HEV、PHEV、BEV)の中国販売台数は2021年に23.3万台を記録したあと、伸び悩む形となり、2023年には前年比8.5%減となった。

ヴェゼルのボディを用いる東風ホンダのBEV、e:NS1(写真:本田技研工業)
ヴェゼルのボディを用いる東風ホンダのBEV、e:NS1(写真:本田技研工業)

「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載するホンダのHEVは、ガソリン車と比較して、CO2排出量の低減や省エネを実現しているものの、走行中にCO2を排出しないBEVの増加により、中国で「技術のホンダ」を象徴するパワートレーンの優位性をアピールするのは困難となっている。

またホンダは、1つのプラットフォームをベースに内外装を変えることで、中国の合弁会社2社から新車をそれぞれ投入する兄弟車戦略を実施している。

クロスオーバーSUVの「CR-V」(東風ホンダ)と「ブリーズ」(広汽ホンダ)、グローバルミッドサイズプラットフォームを採用した「インスパイア」(東風ホンダ)と「アコード」(広汽ホンダ)、ハッチパックの「シビック」(東風ホンダ)と「インテグラ」(広汽ホンダ)のように、兄弟車が存在するのだ。

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