
11月末から12月にかけてドバイで開催されたCOP28では日本やEU、太平洋諸国、南米などから多くの国が参加した(写真:Europian Union, 2023)
昨年11~12月にアラブ首長国連邦(UAE)で国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が開催された。130カ国以上の参加国による白熱した議論は予定を24時間超えて、最終的に「化石燃料からの脱却」を含む成果文書を採択した。
今回のCOPでは地球温暖化の大きな要因である化石燃料の廃止について合意することが期待されていたため、歴史的な成功だと称賛する声もある。一方、抜け道だらけの失敗だと批判もある。そこで本会合の成果を概観してみたい。
まず、今回最も注目を浴びた化石燃料に関する部分だが、注目すべきは「脱却(Transition away)」という表現だ。EUをはじめとする環境先進的な国々からは、化石燃料の生産を減らしていくことを意味する「段階的廃止(phase out)」という表現が期待されていた。
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