中国アリババ、グループCEOに「権限集中」の背景 国内EC事業の伸び悩みをトップ直轄でテコ入れ

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アリババの国内EC事業部門は、中国のECプラットフォームの草分けである「淘宝(タオバオ)」と「天猫(Tモール)」を運営する。しかし競合するECプラットフォームとの顧客争奪戦が激化するなか、2022年から伸び悩みが顕著になっていた。

投資銀行大手のゴールドマン・サックスが2023年4月に発表したレポートによれば、中国のネット通販市場における淘宝・天猫のシェアは、2019年の66%から2022年には44%に低下。同じ期間に、ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)は20%前後のシェアを維持し、低価格販売を強みにする拼多多(ピンドゥオドゥオ)はシェアを10%から18%に伸ばした。

ジャック・マー氏が叱咤激励

そんななか、アリババの停滞を象徴する出来事が起きた。拼多多の株価が2023年後半を通じて上昇し、11月末時点の時価総額でついにアリババを追い抜いたのだ。

アリババ創業者の馬雲氏は、引退後もグループの重要な意思決定に大きな影響力を持つとされる(写真は同社ウェブサイトより)

その直前の11月28日、すでに経営の第一線から身を引いた創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が、社内ネット上に異例のメッセージを書き込んだ。馬氏は拼多多の経営努力を称えるとともに、「アリババは変わるし、変えられる」と社員に呼びかけ、こう叱咤激励した。

本記事は「財新」の提供記事です

「すべての偉大な企業は冬(の厳しさのなか)に生まれる。AI(人工知能)を活用したECの時代は始まったばかりで、誰にとってもチャンスであり、(困難な)チャレンジでもある。過去にどんなに凄い実績があっても、明日やその先の(成功の)ために変革できる人物、そのためにいかなる代償や犠牲を惜しまない組織こそが、社会の尊敬を勝ち取れるのだ」

(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は2023年12月20日

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