「1ドル142円に急騰」誰も語らないシンプルな本質 「買う理由」「売る理由」から社会の動きがわかる
だが、そういう説明をしてくれなかったロン毛の先輩が不親切だというわけではない。コメンテーターという意味では彼のほうが親切だ。多くの人々は、本当の理由よりも、納得できそうな小難しい説明を求めている。
「自分の言葉で深く考える」ことの大切さ
拙著『きみのお金は誰のため』でも、投資銀行で働く七海が皮肉混じりにこんなことを言っている。
この七海のコメントに対して、小説の中で経済のしくみについて教えてくれる先生役の大富豪はこのように切り返している。
経済の専門家の言葉を鵜呑みにするのではなく、それが人々の暮らしや行動にどのように影響しているのかを考えると、市場の動きだけでなく社会の動きも見えてくる。
自分がお金を投資する際にも、同じことが言える。
「投資にお金が流れれば、株価が上昇して、我々の生活が豊かになる」と声高に叫ぶ人がいるが、株価がどのように影響しているかを考えないといけない。投資マネーが増えても、このままだと生活が豊かにならない理由は、次回お話しする。
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