銀座松坂屋の建て替えで強まる、供給過剰の不安

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販売の減少が続く百貨店業界では、11年に入って、八王子そごう、神戸阪急、新宿三越アルコットが営業終了を発表した。一方、旗艦店については、各社、生き残りを懸けた改装や開業を仕掛ける。今春は、大阪・梅田地区で、大丸梅田店の改装やJR大阪三越伊勢丹の開業が相次いだ。

11年後半以降、この動きは東京・銀座エリアに飛び火する。今秋、西武有楽町店跡にJR東日本系のルミネが開業。来夏には、大丸東京店が第2期増床を終えオープンする。高島屋東京店も、隣接地に増床する予定だ。

華やかな計画が目白押しだが、気になることもある。10年に鳴り物入りで改装した「銀座三越」の出足だ。来店客のうち実際に購入した割合を示す買い上げ率は50%で、5%の計画未達。平均単価は5100円と、900円の未達となっている。

震災後、外国人観光客の姿が消えた銀座。国内消費の大幅な伸びが見込みにくい中、それと相反する各社の拡大志向。松坂屋の大型計画も“オーバーストア”の不安を背負って始動することになる。

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(高橋由里、猪澤顕明 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年6月18日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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