連続した想定外の事態、介護で知った父の「本音」 『家で死ぬということ』石川結貴氏に聞く

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『家で死ぬということ』著者の石川結貴氏
[著者プロフィル]石川結貴(いしかわ・ゆうき)/ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。著書に『毒親介護』『スマホ危機 親子の克服術』『ルポ 居所不明児童〜消えた子どもたち』『ルポ 子どもの無縁社会』など。日本文芸家協会会員。(撮影:梅谷秀司)
「俺は家で死ぬ」と言い、遠方で一人暮らしを続けた高齢の親。在宅死に至るまでに父と娘が直面したさまざまな現実の壁は、決してひとごとではない。
家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで
『家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで』(石川結貴 著/文芸春秋/1760円/256ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──静岡県で暮らす87歳の父親が大腿骨を骨折したという連絡。とにかく頑固で、腎不全だとわかっても人工透析を拒む。読み始めてすぐ、先が思いやられました。

父があれだけ頑固だったからこそ、家で死ぬことがかなったともいえます。入院するのも、施設に入るのも、まっぴらごめん。こちらが折れて本人の要望を受け入れるしかなかった。

在宅死や平穏死に関する本は私もたくさん読んでいましたが、頭で考えていたことと現実はまるで違いました。ただ、「おまえも仕事で忙しいだろうから、俺は施設に入るよ」と言うような、ある意味で子どもにとって“都合のいい親”だったとしたら、あの濃密な経験はできなかったと思います。

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