「要介護4の父」と暮らす決断をした50代の模索 冒険家の父「三浦雄一郎」の大病から始まった
2023年8月、 冒険家・三浦雄一郎氏の次男、豪太氏(54歳)は、要介護4の「寝たきり状態」から奇跡の回復を果たした父・雄一郎氏(90歳・当時)の「富士登山」挑戦を、多くの協力メンバーをまとめ、アウトドア用車椅子を使うことでサポート、無事に成功させた。
しかし、車椅子を使った雄一郎氏の富士登山は賛否両論を呼び、富士山登頂を伝えるYahoo!ニュースには2300件を超えるコメントが寄せられた。 要介護4の寝たきり状態から、富士山頂に至るまで――その裏側にはいったい何があったのか?
50代での資格への挑戦や移住、そこに重なる親の病気について、雄一郎氏との共著『諦めない心、ゆだねる勇気』の豪太氏執筆部分から、一部抜粋・再編集・加筆してお届けします(全3回、第1回はこちら)。
2020年、ほとんどの仕事がキャンセルに
コロナ禍でさまざまなことがストップしてしまった時期。あの頃は、僕にとって猛烈な逆風だった。
僕は、講演、スキーやアウトドアのイベントの主宰、スキーのコーチ、オリンピック中継の解説者、スキー関連の通訳、スキー関連団体の理事など、いろいろやって生活している。いわば、山、スキーに関する“よろず引き受け業”である。
しかし、“ステイホーム”が求められた2020年はほとんどの仕事がキャンセルになった。
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