日本の化粧品株に中国からの「ダブルパンチ」 急成長する中国市場でしのぎを削ってきたが
対照的なのが中国依存度が低いコーセーだ。7-9月期の営業利益は市場予想を上回り、株価は急騰した。モーニングスターのシニア株式アナリスト、ジーニー・チェン氏は、「国内売り上げの寄与度が最も重要な違いだ」とし、「コーセーは高級ブランドのデコルテとアルビオンが売り上げの半分近くを占めるのに対し、資生堂は中価格帯が多い」と指摘する。
コーセーがオンラインで販売する商品の中で最も人気がある「コスメデコルテ・リポソーム・アドバンスト・リペアセラム」の販売価格は1万2100円だが、資生堂の売り上げトップ商品「エリクシール・ホワイト・ブライトニング・ローション」は3000円程度だ。
資生堂は2010年代に中国事業を急拡大し、21年には中国での売り上げが日本国内を上回った。これに対し、モーニングスターのチェン氏によれば、コーセーの中国売上比率は10%台半ばだとみられている。
中国景気が今後さらに減速するとみられる中、より喫緊の問題は東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出に対する抗議活動がどの程度続くのかだ。チェン氏は、影響は来年の上期まで続く可能性が高いとしつつ、「それでも一時的で、最終的には中国政府も反日感情を和らげる方法を見つけるだろう」とみる。
とはいえ、中国事業の先行きが不透明な中、今後は国内市場の強化が必要になると、三菱モルガンの佐藤氏は語る。「中国をはじめ海外拡大ばかりに目が行っていたが、これからはホームランドである日本で稼くことにまずは注力すべきだ」と述べた。
--取材協力:佐野日出之.
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著者:Winnie Hsu
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