情報の約8割を視覚から得ているわれわれ人類にとって、嗅覚はなおざりにされがちな感覚だ。だが多くの動物にとっては、嗅覚こそが生命線であり、厳しい自然界を生き抜くために不可欠といえる。本書は、こうした嗅覚の世界のガイドブックだ。
嗅覚の役割
サメは、2500万分の1という低濃度の匂い物質を検出できる。また、その匂いがどちらの方角から流れてくるかを瞬時に判定し、突進することが可能だ。とくにシュモクザメは、ハンマー型の頭部の両端に鼻孔があり、匂いの発生源を立体的に感知することができる。1秒でも早く獲物を見つけることが生死を分ける苛烈な生存競争が、鼻の形状を進化させたのだろう。
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