BYDは中国市場での販売好調に加えて、輸出も急速に伸ばしている。決算報告書によれば、1~9月の輸出台数は前年同期の5倍超の14万5500台。そのほぼ半分の7万1000台を7~9月期だけで輸出した。
同社の輸出先はヨーロッパ、東南アジア、オーストラリア、南アメリカなど世界の58の国・地域に広がっている。さらに、BYDはタイに年間生産能力約15万台の完成車工場を建設中であり、2023年7月にはブラジルにも同規模の工場を建設すると発表した。
バフェット氏が持ち株を売却
BYDの快進撃に死角はないのか。不透明要素の1つはヨーロッパ市場の動向だ。EU(欧州連合)の政策執行機関である欧州委員会は10月初旬、中国製EVに対して不当な補助金が支払われていたかどうかに関する調査開始を決定。ヨーロッパ市場への自動車輸出に逆風が吹き始めている。
アメリカの著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイが、BYD株へのエクスポージャーを落としているのも気がかりだ。
香港証券取引所の開示情報によれば、バークシャーは2022年末時点でBYDの発行済株式の約15%を保有していた。ところが、その後7回にわたって持ち株を売却し、2023年10月15日時点の保有比率は7.98%に低下した。
(訳注:バークシャーは2008年にBYDに初投資した後、2022年に一部を売却するまで14年にわたって長期保有していた)
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は10月31日
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