灘・ハーバード大卒の26歳芦屋市長が「まずは教員の働き方改革」と語る理由 髙島崚輔が教育大綱で掲げる「ちょうどの学び」
AIやICTの活用も欠かせません。全国的な傾向と同様、芦屋市もICTの活用は教員間や学校間で差がありますが、中高生からは「デジタル教科書の導入を早く進めてほしい」「GIGA端末を使いやすくしてほしい」といった声が寄せられています。テクノロジーについては子どもたちのほうが得意だという現状を踏まえ、将来を見据えたAIやICTの活用を考えなければと思っています。
「教師が児童生徒と向き合える環境」をつくるのは「行政の役割」
――児童生徒だけではなく、教師と市民の「ちょうどの学び」についても示されました。
教師と市民も、子どもたちと共に学ぶ主体ですから。とくに教師については、より児童生徒に向き合える環境をどうつくるか、これが一番大事だといっても過言ではありません。働き方改革なくして児童生徒の「ちょうどの学び」は実現できないと考えています。負担軽減とともに、教師自身が専門性を向上させるための探究・創造ができる精神的余裕をどうつくるかが重要。今後、どういう形であれば持続可能に人手を増やせるかといった検討も含め、働き方改革を進めます。
――教育大綱を推進するために体制なども変えられたのでしょうか。
東大大学院公共政策学連携研究部と連携協定を結び、同大の鈴木寛教授からも助言をいただいています。また、教育委員会の中に「学校教育改革推進室」を新たに設け、これまで部署ごとに分かれていたものを統合する形で強化を図っています。
とはいえ、すべてトップダウンで進んでいるわけではありません。例えば、部署の新設も教育委員会からの提案です。今の教育委員会は非常にやる気がみなぎっているので、今後もその主体的な発案や行動を最大限サポートして教育改革を実現したいと考えています。
――今後、どのような教育政策を行いたいと考えていますか。
やはり、まずは教師の働き方改革。これを最初に進めなければ、ほかの話もすべてできないと考えています。部活の地域移行を始め、各学校の課題や教師が本当にやるべき仕事について整理し、手を打っていきたい。教師が児童生徒の学びを最大限サポートすることにちゃんと集中できる環境をつくるのは、行政の役割だと思っています。
(文:國貞文隆、写真:芦屋市提供)
東洋経済education × ICT編集部
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