AI半導体「エヌビディア」の中国ビジネスに暗雲 米国政府が先端半導体技術の輸出規制を再強化

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規制基準の変更により、エヌビディアは新製品の開発スケジュールの見直しを迫られる。それにより、同社は(中国の)既存顧客とのビジネスを失ったり、販売量が減少したりするリスクが避けられない。

中国のハイテク企業は、エヌビディア製の特別仕様チップを大量調達していたとされる。写真は通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のデータセンター(同社ウェブサイトより)

「新規則の影響を受ける製品の購入を(中国の)顧客が希望した場合、わが社は(BISに対して)輸出許可を申請することはできる。だがアメリカ政府が申請を認めたり、手続きを滞りなく進めたりする保証はない」。エヌビディアは、SECに提出した文書のなかでそう述べた。

中国のハイテク企業に打撃

AI演算能力の拡大を競う中国のハイテク企業に対し、アメリカ政府の規制強化は事業戦略の見直しを迫ることになりそうだ。

本記事は「財新」の提供記事です

市場調査会社のカウンターポイントが8月に発表したレポートによれば、ネットサービス大手の騰訊(テンセント)やネット検索大手の百度(バイドゥ)などは、エヌビディアの特別仕様チップのA800を大量に買い付けていた。

「エヌビディアの特別仕様チップの供給がストップすれば、中国企業のAIビジネスの発展に直接的なダメージを与えるだろう」。中国の半導体業界のベテラン関係者は、財新記者の取材に対してそうコメントした。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は10月18日

財新 Biz&Tech

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