新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか 失敗しないための採用・面接・育成 樋口弘和著

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第5章「優秀な人材を見抜く“雑談面接”」でその方法が語られる。“雑談面接”は著者の造語だと思うが、その中身は行動事実を引き出すコンピテンシー面接である。たくさんの事例が紹介されているので、面接の進め方の参考になる。

本書を読むと「人事の常識」が覆されて驚かされるが、私が読んで最もインパクトを感じたのは、次の言葉だ。「見抜き力のある面接官は、第一印象と戦う人です」(139p)。

ベテラン面接官も第一印象のマジックに勝てない。第一印象がいいと、面接は良い評価を検証するものになるし、悪ければダメである理由を確認するものになる。しかし第一印象はその面接官の好き嫌いであることがほとんどだ。だから「第一印象と戦う人」が面接官としてふさわしい。

こういう人間心理の機微は言われてみなければわからない。これを教えてもらっただけで、777円の価値は十分にある。

(HRプロ嘱託研究員:佃光博=東洋経済HRオンライン)

光文社新書 777円

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