「会見大荒れ」細田氏、議員は続投という"厚顔無恥" 「旧統一教会」「セクハラ」は「問題ない」と強弁

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細田氏は13日の辞任会見でまず「任期途中でございますが、このような形で途中で辞任致したいということは誠に残念でございます」と聞き取りにくいほどの弱弱しい声で切り出した。

さらに、細田氏は、①今年夏に体調を崩して入院し、診断は脳梗塞の初期ということで手術をして成功した、②ただ、突然の膀胱内出血の可能性があり、その場合は議長の公務に支障が出かねないので辞任を決めた、③議員としての活動には問題ないとの診断なので、やり残した仕事もあり議員は続ける――などと説明した。

これに対し、記者団からまず「議長は辞任するが議員は続けるのはおかしい」と詰め寄られたが、細田氏は「(議長を)辞めたくて辞めるわけではない」と自らの病状を盾に一方的な言い分でかわした。

さらに記者団が、細田氏が旧統一教会の関連団体の会合で何回も同協会の活動を高く評価し、「安倍総理にも早速報告したい」などとあいさつしたことへの説明を求めると、「安倍さんには伝えていない、リップサービスで申し上げただけ」と事実経過についてのきちんとした説明をしないまま、こちらも一方的に否定した。   

セクハラ疑惑には「『#MeToo』がない」と否認

加えて、『週刊文春』が繰り返し報道した女性記者などへのセクハラ疑惑についても、細田氏は「単なるうわさ話で、『#MeToo』がないではないか。どうして私がセクハラ議長などと言われなければならないのか」「もっと説明したいが(文春側と)訴訟で争うしかない」などと問答無用の姿勢で否認した。

ただ、細田氏の会見での言動については野党が一斉に批判しただけでなく、自民党内からも「かえって疑惑を深め、議長職を貶める」(閣僚経験者)との不満が相次ぎ、岸田首相も13日夕、セクハラ疑惑について記者団に「一般論として申し上げれば、名乗り出る人がいなければセクハラはない、という考えは適切ではない」と苦言を呈す一方、細田氏の会見内容全体については「一つ一つについてコメントすることは控える」と述べるにとどめた。

そうした中、細田氏が議員辞職を否定したことについては、複数のメディアが「議員特権を手放せないのでは」などの批判報道を展開。安倍派からも「『衆院議長は重責だが、衆院議員はそれほどでもない』というが、議員も重責で発言が理解できない」(若手)との声が出ている。

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