江ノ電の「日本一有名な踏切」を作った会社の素顔 鉄道・道路向け機器が主力、日本信号の工場内部
鎌倉高校前駅に限らず、江ノ電には踏切がよく似合う。例えば、長谷―極楽寺間にある御霊神社の鳥居の前を横切る踏切。アジサイの季節には線路脇の花と電車がいかにも鎌倉らしい風景を演出する。
これらの踏切の遮断機などは日本信号という会社が製造している。
設立は1928年。鉄道や道路の信号システムを中心に交通インフラ向けのさまざまな機器を手掛ける。鉄道分野では自動列車制御装置(ATC)、自動列車停止装置(ATS)、列車集中制御装置(CTC)といった信号保安装置から、自動改札機、券売機、ホームドアなどの駅でよく目にする機器まで幅広い。
踏切遮断機の製造現場
製造拠点は栃木県宇都宮市と埼玉県久喜市、上尾市にある。上尾工場では鉄道の現場に設置する踏切の遮断機やポイントの転轍機など信号関係の機器を主に手がける。
警報機が鳴って遮断かんが下りる、という踏切の基本的な仕組みは昔から変わらないが、技術面では進化している。上尾工場の岡見毅彦工場長は「最近の踏切は閃光灯がLED化されているほか、遮断器はロボットなどに使われる『サーボモーター』の採用で竿先の高さがずれないようにするなど、設置と保守の省力化が図られている」と説明する。
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