どう保存する?東京メトロの気になる「引退車両」 ほかの鉄道会社に譲渡した事例もあるが…

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東京での活躍後、地方に譲渡されて運行を続ける車両もある。ローカル私鉄に送られることが多く、銀座線や丸ノ内線で活躍していた2000形は、集電方法を第三軌条方式から架空電車線方式に変更後、日立電鉄や銚子電鉄に譲渡された(いずれも、すでに引退している)。

そのほかにも日比谷線3000系が長野電鉄に、銀座線01系が熊本電鉄に、日比谷線03系も熊本電鉄、北陸鉄道、長野電鉄に譲渡され運行されている(日比谷線3000系の長野電鉄での運用は終了している)。引き続き公共交通としての役割を担っている車両は幸せだと、その姿を見るたびに心底感じている。

6000系や7000系の動向は?

現在でも東京メトロの車両基地で動態保存されている車両は、この状態のまま、いつまで保存されるのであろうか?

例えば、6000系(6102編成)や7000系(7101編成)に至っては、フル(10両)編成で残されており、今後、もしも博物館での保存となったときには、スペースの都合も考えなければならない。現に地下鉄博物館で保存された銀座線01系は、お顔の部分だけがカットされた状態で展示されており、少し残念な気分になってしまうのは否めない。

6000系や7000系の動向、そしてこれから引退していく8000系や02系などの車種は、今後どのような処遇になってゆくのか。

まず、中野車両基地で保存されている500形の保存背景について、東京メトロ・広報部に直接聞いてみたところ、「500形は、技術伝承を目的に、2016年に譲渡先のアルゼンチンより再取得して、復元作業を行っている」ということだ。この件は同社からのプレスも発表されているが、最近は車両基地内で移動もしているようで、敷地外からでもその姿を見ることができる。

次に新木場の車両基地で保存している2形式(6000系・7000系)の保存背景については、「6000系、7000系については、イベントおよび、訓練等での活用を目的として、保存している」ということだ。

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