帝国ホテルの今期は訪日外国人客等が激減、37年ぶりの大赤字に

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 また、会社側は人件費や光熱水道費等の削減を明言するが、前期に375億円あった販売管理費の削減幅は数億円から、大きくとも10億円程度にとどまる見通しだ。この結果、コスト削減をやや多めに見積もっても、18億円程度の営業赤字となりそうだ。

帝国ホテルでは配当予定も非開示だが、現在の新本館竣工(1970年)当時やオイルショック時の赤字決算の際には無配としており、今期も無配とする可能性はある。

ただ当時は立て続けの施設建設で借金過多の体質だったが、現在は逆に無借金で今年3月末現預金は210億円まで積み上げている。今期が赤字でも無借金経営は軽々と維持でき、訪日外国人宿泊客の回復が期待できる来13年3月期以降は黒字決算に復帰する見込みだ。

(野村 明弘 =東洋経済オンライン)

 


《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
連本2011.03       50,915      1,785      2,022      1,629
連本2012.03予      45,000     -1,800     -1,600     -1,600
連本2013.03予      49,000        700        900        500
連中2010.09       24,454        724        819        259
連中2011.09予      19,500     -2,100     -2,000     -2,000
-----------------------------------------------------------
          1株益¥    1株配¥
連本2011.03         54.9         25記
連本2012.03予       -53.9       0-10 
連本2013.03予        16.9       0-10 
連中2010.09          8.8         11 
連中2011.09予       -67.4        0-5 

 

野村 明弘 東洋経済 解説部コラムニスト

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のむら あきひろ / Akihiro Nomura

編集局解説部長。日本経済や財政・年金・社会保障、金融政策を中心に担当。業界担当記者としては、通信・ITや自動車、金融などの担当を歴任。経済学や道徳哲学の勉強が好きで、イギリスのケンブリッジ経済学派を中心に古典を読みあさってきた。『週刊東洋経済』編集部時代には「行動経済学」「不確実性の経済学」「ピケティ完全理解」などの特集を執筆した。

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