円安や物価高でも格安「タイ鉄道の旅」の醍醐味 バンコクから日帰り、それぞれ特色ある4路線
ここから終点ナムトクまでは約5時間を要し、1日かけての往復となるが、景色のいい車窓が続き、鉄道ファンにはディーゼル電気機関車の引く長い編成の客車が魅力だ。日本ではできない客車列車の旅が満喫できる。運賃は片道100バーツ(約400円)である。
平地が多く、単調な車窓が多いタイにおいて、この路線では遠くにミャンマーとの国境の山並みが続く。右に左にカーブをする客車列車は、乗車するだけで大満足である。車内には弁当、フルーツ、飲料などの物売りが行き来し、これまた日本では体験できない旅が味わえる。
イギリス製ディーゼルカーでチャチュンサオへ
東線のチャチュンサオはカンボジア方面とパタヤ方面の分岐駅で、鉄道の要衝である。近年日本人に人気の地となっていて、郊外の寺にピンクの象、ピンクガネーシャがあることで、パワースポットとして訪れる人が多くなっている。バンコクからミニバンで行く人が多いが、チャチュンサオまでを鉄道で往復すれば、旅気分倍増となる。東線の列車は現在でも全列車がバンコク中心街のフアランポーン駅発着というのも嬉しい。
もし週末なら6時45分発の観光列車もおすすめで、チャチュンサオまで所要1時間16分、希少なイギリス製ディーゼル特急「スプリンター」で運転する。普通列車なら13バーツ(約52円)だが、この列車は冷房付き(窓は開かない)なので80バーツ(約320円)、指定席である。
ところが、フアランポーン駅切符売場で「チャチュンサオ」というと、6時55分発の普通列車の切符を渡される。そこで「6時45分の列車」というと、駅員は「80バーツもするぞ」という。55分も早く着くのだし、冷房車だ。相手が外国人だと分かっているはずで何とも商売っ気がないが、筆者はそんなタイ国鉄が大好きである。
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