円安や物価高でも格安「タイ鉄道の旅」の醍醐味 バンコクから日帰り、それぞれ特色ある4路線

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マハーチャイ線と目指すメークローン線は、途中にあるターチン川の部分で途切れているような関係で、その間は渡し船を利用する。マハーチャイ駅から徒歩5分ほどで船着場、渡し船は頻発していて、運賃3バーツ(約12円)である。

対岸の船着場から徒歩10分ほどのバンレーム駅から、7時20分発の始発列車へ乗り継ぐ。終点のメークローンまで1時間、運賃10バーツ(約40円)である。この路線の終点メークローンに到着する寸前、約400mが「市場を行く列車」となる。車両はマハーチャイ線と同じ日本製ディーゼルカーだが、メークローン線専用のお洒落なデザインである。

ウォンウェンヤイ―マハーチャイ間はバンコク西郊の通勤路線の顔も持つが、バンレーム―メークローン間は1日4往復のローカル線で、そのためバンコク5時30分の始発列車で出発したのである。こうすることで、メークローンでは上下合わせて4回、市場を行く列車が撮影できる。

メークローン線
メークローン線は、この光景が1日8回(4往復)繰り返される(筆者撮影)

尋常じゃない光景の人気列車

「市場を行く列車」は大人気のはずだが、始発列車に乗っている観光客は皆無で、終点メークローン近くになって団体が10人ほど乗ってきた。ガイド同伴で、バスで先回りして最後の区間だけ乗車するのである。

ところが、いざ市場へ差し掛かると、始発列車に乗っているのに、黒山の人だかりである。ただでさえ狭い市場を通過するのに、その狭い部分に観光客のカメラの放列、列車は最徐行でゆっくりゆっくり通過する。尋常じゃない光景で、「市場を行く列車」ではなく「観光客のカメラの放列を行く列車」である。多くの観光客は、観光バスで先回りしている。駅近くには何台もの観光バスが停車、水上マーケットとメークローン線を周遊するのだそうだ。

メークローン線 市場 観光客
市場を行くはずが観光客のカメラの放列に迎えられた(筆者撮影)

列車が駅へ到着すると観光客が群がり、怒涛の記念撮影である。以前来たときと違うのは、撮影方法が自撮りになったことか。折り返し列車の出発が近づくと、市場をすばやく片付けるが、観光客は線路の真中で自撮りしようとする人で一杯だ。駅員が笛を吹き、「ここから出ないでください」と言いながら動き回っている。

メークローン線 市場通過 観光客
警備は緩く、駅員が「ここから出ないでください」と言う程度だ(筆者撮影)
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