2790万円、アルピナの超高級SUV「XB7」のすごみ グランクーペの「B8」とともに軽井沢で試乗した
まずはアルピナの最上位モデルとなる「XB7オールロード」。ベースとなるBMW 「X7」の2024モデルで行われた改良(マイナーチェンジ)をアルピナXB7に反映した最新型だ。
48Vのマイルドハイブリッドシステムが追加されたほか、パワートレーンやサスペンションに細かな改良が施され、顔つきは最新のBMWトレンドである上下2分割ヘッドランプを与えられた。インテリアには12.3インチのメーターパネルと14.9インチのコントロールディスプレイを一体化した最新のカーブドディスプレイが新たに備わっている。
さっそく2790万円のスーパーSUVをドライブしてみる。舞台は軽井沢のカントリーロードと碓氷峠だ。まず感心するのはしなやかな身のこなしで、600psを超えるハイパワーなSUVであることを忘れさせてくれるおだやかさを持っている。
カントリーロードをゆっくり流していると、エンジンはふんわりとやわらかなフィーリングを示し、サスペンションはゆっくり時間をかけて路面の凹凸を吸収してくれる。ステアリングフィールも繊細で好ましい。快適性は獰猛そうな外観から想像するよりはるかに高いレベルにある。
高精度のエンジンならではのきめ細かい協和音
アクセルペダルを踏む右足に力をこめていくと、生産精度の高いエンジンならではのきめ細かい協和音が耳に届き、滑らかで温かみすら感じさせてくれる。この感触は内燃機関車だからこそ得られるものだ。2025年内という限られた時間のうちにアルピナの丁寧に組み立てられたエンジンを手にできる人は幸せ者だ。
碓氷バイパスに入る。全長5178 mm、全幅1989 mm、全高1797mmとビッグ&トールなSUVにもかかわらず、カーブの切り返しでも車体の動きにしなやかな連続性が感じられてとても気持ちがいい。ここでもやはり乗り心地は素晴らしい。
一般に、快適性を優先したSUVだと、車体の動きやアクセルペダルの踏み込み量と前後方向の動きがバラバラになってしまう場合が少なくない。この点において、XB7は乗り心地とハンドリングのバランスの高さが並大抵ではない。アルピナの流儀の真骨頂だろう。
3列のシートはどの列もスペースたっぷり。筆者は身長172センチだが、3列目に収まってもどこにもつかえず快適に座れる空間が用意されている。3列目シートにアクセスするには2列目シートを倒さなければいけないが、その操作が電動であるためちょっと時間がかかり、頻繁に使うには不便に思うかもしれない。高級車ならではの悩みだ。
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