元テレ東・赤平大アナ、「ギフテッドで発達障害」2Eの息子が麻布中学合格の軌跡 自己肯定感を下げない子育てと独自の勉強法
20年からは文部科学省と厚生労働省が共同で行う、発達障害をはじめとする障害のある子どもの支援「トライアングルプロジェクト」もスタートしました。こうした取り組みはあるものの、そのスピードは緩やかなので、自分の子どもはその間にあっという間に成長してしまう。もっと早く、多くの人に発達障害に関する理解を深めてもらえる方法はないかと考え、昨年『インクルボックス』という動画メディアを立ち上げました。
――発達障害に対する知識を多くの人が持つことで何が変わるでしょうか。
2021年、野村総合研究所(NRI)が「日本で発達障害人材が未活躍であることの損失額は2兆3000億円と推計する」というデータを発表しました。「発達障害=手のかかる困った子」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、周囲が発達障害に対する知識を持ち、理解すれば、発達障害の子どもは並外れたポテンシャルを発揮します。
そして「自分はほかの子と何か違う」と感じているのは、何より発達障害当事者である、子ども自身です。この子たちが健やかに自分らしく生きていくためには、周りの大人たちが正しい知識を持つことが何より大切です。また発達の特性は発達障害のある子どもたちに限ったことではありません。100人いれば100通りの個性や困りごとがある。それをみんなで認め合い、理解し合える社会をつくるため、これからもメディアを通して発達障害に関する啓蒙活動を担っていきたいと考えています。

フリーアナウンサー、ナレーター
2001年テレビ東京入社。スポーツ実況から報道番組まで幅広く担当し、09年退社。現在はフリーアナウンサーとしてWOWOW「エキサイトマッチ」「ラグビー欧州6カ国対戦 シックス・ネーションズ」、J SPORTS「フィギュアスケート」など実況、ナレーターとしてNHK BS「ザ少年倶楽部プレミアム」などを担当する。15年から千代田区立麹町中学校で工藤勇一校長(当時)の下でアドバイザーとして学校改革をサポート。22年からは横浜創英中学・高等学校でサイエンスコース講師を務める。自身の子の発達障害をきっかけとして、発達障害やギフテッド支援者向け動画メディア「インクルボックス」を立ち上げ、発達障害の啓発活動に注力している
(文:藍原育子、注記のない写真:今井康一撮影)
東洋経済education × ICT編集部
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