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心身を蝕む「宗教虐待」は親だけの責任ではない 社会全体で「虐待された子ども」を守るべきだ

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宗教2世を支援する団体代表の夏野ななさんは、社会全体で宗教2世を守っていく必要性を説く。

宗教2世支援団体代表の夏野なな氏
夏野なな(なつの・なな)/宗教2世支援団体代表。元エホバの証人3世。今年、宗教2世の支援をする「スノードロップ」を立ち上げた。

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6月5日発売の『週刊東洋経済』では「宗教消滅危機 消えゆく寺・墓・葬儀」を特集。少子高齢化や過疎化、葬儀の簡素化で宗教の出る幕が急速に失われつつある。宗教はこのまま消えゆくのか。機能不全に陥る伝統宗教、衰退する新宗教の「今」を追う。
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夏野ななさん(活動名、30代)は、幼少期からムチの暴力など激しい虐待を受けてきた。宗教2世の支援団体を設立した夏野さんに支援には何が必要かを聞いた。

私は親からの虐待に耐えかねて10代で家を出た。頼れる親類もなく、生活に困るとしても、20歳になるまでは待てなかった。宗教2世に限らないが、虐待を受けた子どもが親元を離れたいと思っても、自立して生きていくのは難しい。女性の中には売春に関わらざるをえない人もいる。

まずは安心して暮らせる場所を提供し、衣食住を確保させる支援が必要だ。ネグレクト(育児放棄)を受けた子どもは家事や銀行口座の作り方などがわからないことがある。基本的な生活のすべが身に付くよう支援し、就労まで寄り添っていかなければならない。

ただ、ここに生まれただけなのに

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