銀行に21年間勤務した宗教界の風雲児は「今こそ宗教の時代だ」と語る。

安永雄彦(雄玄)(やすなが・ゆうひこ)/浄土真宗本願寺派 龍谷山本願寺 執行長。1954年生まれ、慶応大学経済学部卒業。英ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(経営学専攻)。三和銀行(現三菱UFJ銀行)に21年間勤務。コンサルティング会社の経営を経て、2015年築地本願寺代表役員・宗務長に就任。寺院の運営管理や首都圏で個人を対象とした新しい形の伝道布教活動を展開、経常赤字だった築地本願寺の黒字転換に成功。22年8月に本願寺執行長に就任。
6月5日発売の『週刊東洋経済』では「宗教消滅危機 消えゆく寺・墓・葬儀」を特集。少子高齢化や過疎化、葬儀の簡素化で宗教の出る幕が急速に失われつつある。宗教はこのまま消えゆくのか。機能不全に陥る伝統宗教、衰退する新宗教の「今」を追う。
ジリ貧に陥る宗教界で耳目を集める人物がいる。浄土真宗本願寺派(西本願寺)の安永雄玄執行長だ。三和銀行(現三菱UFJ銀行)勤務やコンサルティング会社経営の経験を生かし、経常収支の赤字が続いていた築地本願寺(東京都・中央区)のリブランディングに成功、黒字転換させた。宗教界の風雲児に、現代における宗教の役割とは何かを聞いた。
──人口減少や少子高齢化、過疎の深刻化で寺院の多くが消滅するといわれます。
檀家制度はすでに崩壊しています。基盤となるイエ制度や家族制度が壊れ、「個人の時代」が到来しているのですから。檀家という「既存客」にしがみつくだけならば、寺院は滅びるしかないでしょう。私は築地本願寺を、個人が「行ってみたい」と思えるような、開かれた寺に変えたかったのです。そして、それを成功させました。
必要なのは「顧客創造」
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