教団への批判が高まる中、現役信者の子は今何を感じているのか。
6月5日発売の『週刊東洋経済』では「宗教消滅危機 消えゆく寺・墓・葬儀」を特集。少子高齢化や過疎化、葬儀の簡素化で宗教の出る幕が急速に失われつつある。宗教はこのまま消えゆくのか。機能不全に陥る伝統宗教、衰退する新宗教の「今」を追う。
昨年来、「宗教2世」たちの存在に注目が集まるようになった。宗教2世とは、特定の信仰や信念を持つ親・家族の元で育った世代のこと。旧統一教会と並び宗教2世の問題が深刻なのが「エホバの証人」(宗教法人「ものみの塔聖書冊子協会」)だ。
エホバの証人は、子どもへのムチの暴力と輸血禁止といった信仰に基づく虐待の問題が顕在化しつつある。こうした身体的な虐待と同様に深刻なのが心の被害だ。
「あと数年で家から出られる。そうすればエホバから離れられる」。笹木裕子さん(10代、仮名)は、祖父母も両親も信者という家庭で育った。現在も活動に参加しているが、教団からの離脱を待ち望んでいる。
反抗しても無駄だと諦めていた
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