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多死社会をあてこむ納骨堂ブームの「落とし穴」 需要は伸びず供給過多で高まる経営破綻リスク

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都会で次々に建てられた納骨堂には経営破綻リスクがつきまとっている。

ロッカー式の納骨堂
札幌市にある破綻した納骨堂。ロッカー式になっており、30万〜250万円で販売していた(写真:北海道新聞)

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6月5日発売の『週刊東洋経済』では「宗教消滅危機 消えゆく寺・墓・葬儀」を特集。少子高齢化や過疎化、葬儀の簡素化で宗教の出る幕が急速に失われつつある。宗教はこのまま消えゆくのか。機能不全に陥る伝統宗教、衰退する新宗教の「今」を追う。
週刊東洋経済 2023年6/10号[雑誌](宗教 消滅危機)
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「ご先祖様の遺骨を返せ!」。北の大地に怒号が飛び交ったのは昨年秋のことだった。札幌市東区の納骨堂「御霊堂元町(みたまどうもとまち)」が経営破綻したのだ。納骨堂が倒産するなど、利用者にとって想像も及ばぬことだ。

納骨堂は差し押さえられて競売にかけられ、不動産会社の手に渡った。納骨堂の代表は利用者やマスコミから追及を受け、雲隠れを続けている。永代供養料が返還されないばかりか一時、納骨していた遺骨が戻らない騒ぎになった。

運営していたのは宗教法人白鳳寺。宗教法人といっても大手教団に属さない単立寺院で、代表は僧侶の資格も持っていなかった。いわゆる「モグリ」の住職だった。

代表はぜいたくざんまいの私生活

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